- 最近はあらゆる情報にURLがついています。
製品にも本にも日記にもレシピにも場所にも人間にもURLがついており、
あらゆる情報へのポインタがURLで表現できる時代になってきたといえるでしょう。
- ところが何故かメールにはURLがついていません。
メールは個人的なものだからあたりまえだと思われているかもしれませんが、考えてみると不便な話です。
会議やイベントの連絡がメールで送られてきたとき、その情報を表現するURLがありませんから、
別の場所からその情報にリンクを張ることができません。
面白い情報をメールで貰ったとき、それを他人に伝えようとするとメールの転送が必要で、
そのようなデータにブラウザからアクセスできないのは不思議な話です。
あらゆる情報の中でメール情報だけが別の世界にいるかのようです。
- GyazzのようなWikiは便利なのですが、
メールでもらったデータにリンクを張ることができないのが困りものでした。
メールで貰ったイベントの案内をWikiに書きたいと思ったとき、
メールにリンクを張ることはできませんからイベントのページを捜すのですが、
何でもWebページが有るとは限りません。
会議の連絡や宴会の連絡がメールで来るのは日常茶飯事ですが、
会議のページや宴会のページなどはありませんからリンクを張ることは不可能ですし、
URLが無いとブックマークすることもできません。
- メールで届いた情報を参照する場合、メールソフトを利用するか、
メールの内容を別の場所にコピペしておいて参照するのが普通です。
また、こういった不具合を解決するため、
メールも文書も同じように扱えることを売りにしたソフトが色々開発されていますが、
メールが別世界にいるという状況は変わりません。
文書などのデータはそのまま普通にWebで公開できるのに対し、
メールを公開するにはコピペなどのデータ変換が必要になります。
そもそもメールが同じ世界に存在して直接リンクを張ることができるのならばこういう面倒は不要なはずです。
メールだけが別世界にいることが問題であり、
あらゆる情報をURLで一括管理できればメール情報の扱いの面倒さは解消するはずです。
Gyammを利用すると、メールの世界に閉じこめられていた情報をURLの世界に持ち出すことができます。
- メールが開発されたのはWebが開発されるよりもずっと前のことなので、
別世界の話なのは仕方がなかったかもしれません。
しかしWebが発明されて20年近くたっている現在、
いつまでもメールを別世界のまま放っておくわけにはいかないでしょう。
なんらかの方法での融合が必要だと思われますが、
そういう意識を高めるためにGyammは有用だろうと思われます。
- (2011/5/4 増井俊之)
- 実装について